広島県辺りの、波止場から太刀魚が釣れるシーズンと言えば、例年であれば9月の終わりから10月の終わりあたりである。

 私は、毎年このシーズンになると太刀魚をバンバン釣る。(話半分ではありませんよ) なのに、今年はまだ一匹も釣れていません。 どうしても太刀魚が釣りたくて上関の四代港まで行ってしまいました。

 上関の四代港は島ではないのに島並によく釣れる、魚影の濃い所です。 と私は思っています。 利点としては、島では釣れなくても帰ることは出来ませんが、ここでは釣れなければサッサと帰ることが出来ます。しかし我が家から90Kmもあります。

 この90kmの行程を車で走ること2時間やっと16:30に四代港に到着、いきなり波止場の上の大勢の釣り人が目に飛び込んできました。 長い時間をかけてやって来たのに、これジャーね、この辺りだと他にもいい釣り場かありそうだし、と思いつつ少し引き返した所で釣り人を発見、声をかけてみました。

  「釣れますかーーーー」
  「鯛が2匹釣れましたよーーーー見ますかーーーー」

 内心 こんな所で鯛が釣れるのかなーどうせ小さな鯛なんだろうなー と思いつつ見せてもらうことにしました。 クーラーの中をのぞいてビックリ、なんと40cm〜50cmはあろうかと思う鯛が2匹もいるではないか。

  「こんなところで、こんなのが釣れるんですかー」

 やはりここは魚影が濃い、せっかく2時間もかけて来たのに、この場所を放棄する手は無いんじゃないのか? 思い直して波止場に割り込ませてもらうことにしました。

 波止場に行って見ると先着の皆さんはアジ、カワハギ、メバル,アオリ等様々な釣をされていました。 一応挨拶代わりにアジをやっている人に聞いてみました。

  「釣れますかーーーー」
  「いやー ぜんぜんダメジャねー 私はですよ 他の人は釣ってますよ」

 まー問われて バンバン釣れてますという人はそう居ないので、私は暗くなるまでアジを釣ることにしました。 サビキを投げるるとすぐにアタリが来ました。 やはり魚影が濃い。 

 ところが揚げてみると殆どがデンゴ。(広島ではアジの小さいのをデンゴといいます) 太刀魚を目的に来ている私にとっては太刀魚の餌となるデンゴても良かったのですが、他の人はおおいに不満のよ うでした。                       
 夕暮れ時になると、アジのサイズもだんだん大きくなったが、私は太刀魚狙いに仕掛けを変えました。

 キビナゴを付けた一本針を投げ込むとすぐにアタリがきました。 今年初めての太刀魚のアタリです。

 しかし合わせが少々早すぎたのかよくあるパターンでキビナゴの頭だけか残っていました。
 ここなら又すぐに当たるだろうと思いきや、それからなかなかアタリがありません。

 この頃になると殆どの人が太刀魚釣に変更していましたが、どこからも釣れたと言う声があがりません。 だが、いない訳ではありません、事実隣のお兄さんには何回もアタリがあります。 しかし全部逃げられています。

 隣のお兄さんの仕掛けは2本張針で、昼間釣ったアジを餌にしてかなり遠投していました。 逃げられる理由は、おそらく太刀魚の餌にしては結構大きなアジを餌にしていたせいでしょう。

 そこで私も、仕掛けを変更してみました。 餌をアジに、針は大針にし、遠投してルアーの要領で引っ張ってみました。 するとすぐにアタリが来て、今度はめでたく釣りあげることができました。

 やはり釣も「考えて」「仮説をたて」「実行する」ということは必要ですね。
 ということで、待望の今年の一匹目を釣ることができたのでこの日はこれでサッサと帰りました。